図案が決まったあと、次に迷うのが**「糸を何かせ買えばいいのか」**です。
多すぎれば余り、少なければ途中で足りなくなる。しかも足りなくなってから買い足すと、同じ番号でも微妙に色が違うことがあります。この記事では、必要量の考え方と色番号の扱いをまとめます。
1. まず「かせ」とは何か
DMC 25番刺しゅう糸は、1かせ約8mの束で売られています。この1本に見える糸は、実は6本の細い糸(ストランド)が撚られたものです。
クロスステッチでは全部を使わず、必要な本数だけ引き抜いて使います。14カウントなら2本どりが標準です。
INFO
6本のうち2本だけ使うということは、1かせで2本どりの糸が約3倍の長さ分とれるということです。これが「1かせで意外とたくさん刺せる」理由です。
2. 1かせで刺せる目数の目安
14カウント・2本どりで、およそ1,000目が目安です。
| 布カウント | 1かせで刺せる目数の目安 |
|---|---|
| 11ct | 約800目(3本どり想定) |
| 14ct | 約1,000目 |
| 16ct | 約1,150目 |
| 18ct | 約1,300目 |
カウントが大きいほど1目が短くなるので、同じかせでより多く刺せます。
WARNING
これはあくまで概算です。 糸を引く強さ、1本の糸で刺し続ける長さ(長すぎると毛羽立って交換が必要)、裏の渡し方によって消費量は変わります。多めに買っておくのが結果的に安上がりです。
3. 色ごとに数える
必要量は作品全体ではなく、色ごとに求めます。
“その色の目数 ÷ 1かせで刺せる目数 = 必要なかせ数(切り上げ)
たとえば14ctで、黒(310)を2,400目使う図案なら 2,400 ÷ 1,000 = 2.4 → 3かせ。100目しか使わない色でも、1かせは必要です。
つまり「使う色数」がそのまま最低限のかせ数になります。色数を絞ると、糸代も糸替えの手間も減ります。
4. 色番号の見方
DMCの色番号は、かせに巻かれた帯に印字されています。番号は世界共通の識別子で、色名より確実です。
- 310 … ブラック
- B5200 … スノーホワイト(Bで始まる特別な番号)
- 666 … ブライトレッド
- 3371 … ブラックブラウン
図案に「310」と書かれていたら、店頭で「310」の帯を探すだけです。色名の訳し方は販売店によって揺れがありますが、番号は揺れません。
TIP
画面の色と実物の糸の色は必ず異なります。 モニターは光を発し、糸は光を反射するためです。微妙な色合いが重要な作品では、DMCのカラーカード(実物の糸見本)で確認してから購入してください。
5. ロット違いに注意
同じ色番号でも、染めた時期(ロット)が違うと色味がわずかに変わることがあります。単体では気づかなくても、同じ面を刺した中で切り替わると境目が見えてしまいます。
対策はシンプルです。
- 広い面積に使う色は、最初にまとめて買う
- 買い足したときは、目立たない部分から使う
- 余った糸は番号が分かる状態で保管する(帯を捨てない)
6. 図案から必要量を自動で出す
色ごとの目数を手で数えるのは現実的ではありません。図案を作る段階で、色番号と必要なかせ数まで出しておくのが確実です。
図案メーカー(クロスステッチ・アイロンビーズ)
写真からクロスステッチの図案を作成し、DMCの色番号・色ごとの目数・必要なかせ数を一覧で表示します。布のカウントに応じてかせ数も計算されます。
布のカウントの選び方はクロスステッチの布カウントの選び方で解説しています。
まとめ
- 1かせ=約8m・6本撚り。14ct・2本どりでおよそ1,000目が目安
- 必要量は色ごとに計算する。少ししか使わない色でも1かせは必要
- 色番号は世界共通。色名ではなく番号で買う
- 広い面積に使う色はロット違いを避けるため最初にまとめて買う
買い物リストは、図案ができた時点でほぼ確定します。