市販の図案は種類が限られています。自分のペットの写真や思い出の風景を刺したいと思っても、既製品には当然ありません。
クロスステッチの図案は、原理としては単純です。写真をマス目に分け、各マスを1色の糸に置き換えるだけ。問題は、それを手作業でやると膨大な時間がかかることです。100目×100目なら1万マスあります。
この記事では、図案を自作する手順と、押さえるべきポイントを解説します。
1. 目数を先に決める
図案作りは大きさから逆算します。仕上げたいサイズと布のカウントが決まれば、目数は自動的に決まります。
“目数 = 仕上がり(cm)÷ 2.54 × カウント
14カウントで18cm四方に仕上げたい場合:18 ÷ 2.54 × 14 = 約100目。
| 目数 | 14ctでの仕上がり | 目安の作業量 |
|---|---|---|
| 50×50目 | 約9cm四方 | 小物・ミニ額 |
| 70×70目 | 約12.7cm四方 | はがきサイズ程度 |
| 100×100目 | 約18.1cm四方 | 標準的な額 |
| 150×150目 | 約27.2cm四方 | 大作。長期戦になる |
WARNING
目数は作業時間に直結します。 100目四方=1万目です。1時間に300〜500目という一般的なペースなら、20〜30時間かかる計算になります。最初の一枚は50×50目程度から始めるのが現実的です。
布のカウントの選び方はクロスステッチの布カウントの選び方にまとめています。
2. 写真を選ぶ
図案にしやすい写真の条件は、アイロンビーズなどのドット系の手芸と共通です。
- 被写体が大きく写っている … 目数が少ないほど、細部は1目に潰れます
- 輪郭がはっきりしている … 逆光や薄暗い写真は形が出ません
- 背景が単純 … 背景が複雑だと、色数ばかり増えて被写体が沈みます
TIP
背景は思い切って捨てるのも手です。被写体だけを刺して背景を布地のまま残すと、目数も糸も減り、作品としてもすっきりまとまります。
3. 図案を生成する
写真を読み込み、目数・布のカウント・使う色数を指定します。各マスに最も近いDMCの色が自動で割り当てられ、色番号つきのチャートになります。
図案メーカー(クロスステッチ・アイロンビーズ)
写真からクロスステッチの図案を作成。DMC25番の色番号、色ごとの目数と必要かせ数、布カウント別の仕上がりサイズを自動計算します。白黒印刷でも読める記号つき。
写真はブラウザの中だけで処理されるため、どこかに送信されることはありません。
4. 色数を絞る
写真をそのまま変換すると50色を超えることもありますが、実際に刺せる色数には限りがあります。
- 色が多いほど糸代がかかる(1色につき最低1かせ)
- 糸替えの回数が増え、作業効率が落ちる
- 似た色が増えると、記号の読み間違いが起きやすい
20〜30色が扱いやすい範囲です。色を減らすと、外れた色は残った色のうち見た目がいちばん近い色に置き換わります。
必要な糸の量についてはクロスステッチの糸は何かせ必要?で解説しています。
5. 記号チャートの読み方
図案は1マス=1目です。マスに入っている記号が、使う糸の色番号に対応します。
- チャート脇の一覧で「記号 → DMC番号」を確認する
- 10目ごとの太い線が位置の目印。数え間違いを防ぐための線です
- 中心から刺し始めると、端でずれて布からはみ出す事故を防げます
INFO
記号があるのは装飾ではありません。白黒印刷でも色を判別するためです。図案を印刷して手元で見ながら刺す場合、カラー印刷が必須になるとコストがかかります。記号つきなら家庭のモノクロプリンターで十分です。
6. 刺す前の確認
- 布は仕上がり+周囲5cmずつで裁つ
- 図案の中心に印(しつけ糸など)を入れておく
- 使う色の糸を番号順に並べておく
- 大量に使う色は、ロット違いを避けて先にまとめ買いする
まとめ
- 目数は仕上がり ÷ 2.54 × カウントで逆算する
- 写真は被写体が大きく、輪郭がはっきりして、背景が単純なもの
- 色数は20〜30色に絞ると、糸代も手間も読みやすさも改善する
- 記号チャートは白黒印刷のため。1マス=1目、中心から刺し始める
方眼紙を1万マス塗る作業は不要です。作る時間は、刺すことに使ってください。